羊蹄丸

yuzyuz2011-08-05

昔・・23年前まで青函連絡船というものがありました。


北海道の函館と本州の青森を結ぶ航路で、
最盛期は何十隻もの連絡船が就航していましたが
1988年、青函トンネルの開通と共にその役目を終えたのです。
その青函連絡船には私が5歳から13歳くらいまでのあいだ
今は亡き実家の父が乗務していました。


廃止された青函連絡船はほとんどが姿を消しましたが
数隻だけ残っていて、その中の1隻、羊蹄丸(ようていまる)は今、
東京お台場の船の科学館に係留されています。
実はその羊蹄丸と私はある小さな縁で結ばれていまして・・
1965年の初就航の日、当時小学校3年生だった私は
船長に花束を贈呈するという役目を受け持ったのです。
(↓ 隣は当時小学校6年生の兄です)




その羊蹄丸ですが、3年前、東京で展示会をしたときに
自由時間があったのでお台場まで見学に出かけました。
実家の母も誘ったのですが
「(父との)思い出が多すぎて、まだ(気持ちが)
耐えられないと思うから、やめておくわ」
というので一人で行ったのです。


久しぶりに見た連絡船は本当に懐かしかった!初めは
「わ〜、懐かしい〜。そうそうここはこうなっていたなぁ!」
なんてキョロキョロしながら客室や操舵室を歩いていたんだけど
そのうちにだんだん自分が子供だった頃のことを思い出し
元気だった頃の父の姿も目に浮かび、
思いがけず心がしめつけられて、涙がどんどんあふれてきました。
そんなわけで
「ブログネタにしよう」
という位の軽い気持ちで行ったのに、ついには何も書けないまま
3年以上たってしまったのです。


その羊蹄丸が来月、9月30日で展示休止となり、
保存と公開が終了することが決まったことをつい数週間前に知りました。
現在、船の科学館に関係している、私が幼稚園くらいからの
知り合いのおじさん(父の後輩)から
「9月1日から”ありがとう羊蹄丸”という企画展があるので
花束贈呈の時の写真があったら貸して欲しい」
という手紙を頂いたのです。
そして古いアルバムを探して見つけたのが上の写真を含む数枚。


もう一度・・多分見納めとなる羊蹄丸を見に行こうかな。
母は誘ったら一緒に行くと言ってくれるでしょうか?


今日、思い切ってこの話題を書こうと決めて色々と調べてみたら、
私が花束を贈呈したのはちょうど46年前の今日、
8月5日だということがわかりました。
やっぱり何かの縁でつながっているのかもしれません。