変身〜♪

yuzyuz2009-12-05

この写真は本日お客様宅に納品したテーブルです。


天板は栃(トチ)材に赤漆と漆を塗り重ねたもの。
脚は樺(カバ)材に黒色の天然植物オイルを塗ったもの。


我が家にここ数年の間にいらして下さった方は
「あれ?この天板、見たことあるかも・・?」
と思っているかも知れませんね。
そうです。
この天板は数年前にもっと短い脚をつけて作った座卓の天板なんです。
その時夫が、注文ではなくて展示会に向けて作りたいモノを
作ろうと思い、
普通はなかなか大きな家具には思い切って使えない
赤漆を天板全面に塗ってみました。
(私も塗るのだけは手伝ったんだけどね)


結果、迫力のある色と艶が出て、作った私たちとしては
満足したんだけど、やはり・・というか案の定というか
あまり一般ウケしないでねー。
ここ数年お嫁に行かぬままに、我が家の箱入り娘
なっておりました。


で、この春くらいにご注文を頂いたテーブル。
どんな天板がいいか、我が家の材木の在庫を何枚か見て頂いて
「こんな感じの材がいい」
と選んで下さった材を見ていたら、それがちょっと
テーブルの天板にするにしては(不可能ではないけど)少し薄い。
形は木の皮がそのまま出た面白い形なんだけどなぁ。
・・と思ったところで似たような形をどこかで見た様な気がして
記憶をたどったら、何と我が家の箱入り娘のスタイルと
よく似ていると言うことに気づいたのです。


座卓の天板は十分に厚くて重いので、脚とくっつけなくても
完全に安定している・・というわけでもともと脚とは
くっつけていなかったのよ。
木というのはどんなに年数を掛けて乾燥させても
どうしても湿度によって動くものなので
可能な限り無理に動きを止めたりしないほうがいい・・
というのが夫の考えでね。


そんなわけで今回その天板を使ってテーブルに変身させるのは
容易だったのです。
お客様に提案してみたところ、以前からこの個性的な天板を知っていて
秘かに気に入って下さっていたということで快諾して下さってねー。
そこで脚だけを天板の大きさに合わせ、ご注文の高さに作って
赤漆の天板を載せました。
急に背が高くなった天板、気分はどうかな?


とにかく、ああ、よかった。
ちょっと個性的な娘もこれで無事にお嫁入り
残った座卓の脚には、今度はちょっとおとなしい
天板娘を新しい相棒として作ってあげるつもりです。