職人仕事

私の仕事は染色です。
布に色を染める仕事。


その仕事には2つの面がありまして
一つは自分でデザインして自分の表現したいことを染めて作品を作る仕事。
そしてもう一つはお客様のご注文通りの染めを作る職人の仕事です。


この写真(↓)はその職人仕事。
書家のお客様が書いた書をそのまま布に染め上げました。



作り方はお預かりした書をまずコピーして、そのコピーを
麻生地の下に置いて、下から光を当てて描き写します。
そして、染めたくないところ(この場合は文字の外側)にを筆で置いて
置かなかったところ(文字と周りの茶色い部分)を柿渋で染めます。
柿渋が乾いたら文字の部分だけに鉄の水溶液を塗って鉄媒染し、
色を黒く変色させたのです。
蝋を落として最後に落款を忠実に赤い樹脂顔料で手書きし、縫製して
タペストリーに仕上げました。


もともと職人にあこがれて染色の道にはいったので
こういう仕事は嫌いではありません。
(こればっかりではちょっとツライんだけど・笑)
もちろん間違えないように、
そして出来るだけ筆の勢いや持ち味を壊さないように慎重かつ大胆に・・。


この写真のものを含めて、全部で6枚のタペストリーは
本日から始まった安達翆鳳さんの喜寿記念展覧会
京都府福知山市・厚生会館・9日まで)で
本当の(?)書に混じって展示されています。


先日、納品に行ったときとても喜んで下さり
こんな(大して世の中の役に立たない)仕事でも
やってて良かった♪と思えたのでした。
(と、今日はちょっとマジメにまとめてみました)(^^ゞ